【連載】電子ほたる誕生物語(第2話)

前回、電子ほたるのアイディアまでは出てきたものの早速壁にぶつかった金子さん。ほたるのワークショップ開発は、どうなってしまうのでしょう……?

*******************

とにかく考えていても前へ進まないので試作品を作ることにして、プリント板なしでIC(LS74123)の足に直接RとCを半田付けしました。

電源は自作の電圧可変の小型電源を使い、ICの定格の5Vからスタート、とにかくコイン電池(3V)1個で動作しなくてはならないので、徐々に電圧を下げて行きました。初めのうちは調子よく動作していたものの、電源電圧が3.5V近くに下がってくると動作が不安定になり、3.3Vあたりで完全に動作停止してしまいました。
コイン電池1個(3V)で動作させるというのが開発目標ですので、これでは使い物になりません。
(でもこの電子回路は後にデモ用のジャンボホタルに引き継がれています)

これは困った、何か代わりになるものはないかと秋葉原の電気街にある部品屋さんを片端から覗いて歩きました。なにしろ秋葉原はボランティアの活動先から近かったものですから、毎週のようにボランティア活動の後電気街へ通いました。

もちろん飲み会のある日も集合時間の前に電気街を一回り、一度などは千葉県北西部を震源とするやや大きい地震に遭って電車がストップ、飲み会に大幅に遅刻することもありました。そのとき飲み会の席では、「あいつまた秋葉原詣でだろう」、「この状況では来られないだろう」、「いや絶対来るよ」、などと大いに盛り上がり肴にされていたようです。
秋葉原も雰囲気が以前とはがらりと変わって、駅を出ると「ご主人様お帰りなさいませ」とメイド姿の若い娘が出迎えるようになっていましたが、これは無視してまっすぐに部品屋の店先へ直行しました。

部品屋さんの店先ではあちこちでLEDをデモ用に点滅させていましたが、よく見るとLEDのすぐそばにプリント板に組み立てられた点滅回路が見えているのがほとんど、これでは失敗した試作品と何も変わっていません。ところがある店に置いてあったのは、どこから見ても点滅回路が見当たらないものでした。

そこで店の親父さんに
「このLEDの点滅回路はどうなっていますか」と聞いたところ、
「LEDのケースの中に制御回路が入っているから、外付け部品はいらないよ」
との答、

「これだ!!!」

さっそく何個かサンプルとして買い求め、次に買うときのために正式な品名を聞いたところ当時は小さなメーカーが片手間で作っているので品名があっても、次の時にそれが店頭にある保証はない、という驚くような返事。

ではどうしたら次に同じものが買えるのかと聞いたところ、自己点滅LEDで色:みどり、サイズ:5φを指定すれば分かるとのことで、とにかく購入した部品を大事に持ってわくわくしながら帰宅しました。

心配だったのはこのLEDの定格電圧は5Vなので、3Vのコイン電池で動作するかどうかでした。店の親父さんに聞いてもたぶん使えると思うけどやったことがないから分からないという返事、そうなれば自分でやってみるしかないので、どきどきしながらコイン電池と接続してみたら、万歳動くではありませんか・・・。これでホタル作りのめどが立ちました。
(つづく)

*******************

無事に材料の課題が解決!
これがどのようなプログラムになっていくのかは、また次回のお楽しみに!

【出展情報】2018/2/12  三菱みなとみらい技術館

さて、早速2月のワークショップのご案内です。

2/12(祝)に、横浜は三菱みなとみらい技術館さんで、折り紙モササウルスを実施します!昨年末きしわだ自然資料館さんでお目見えしたばかりの本企画、関東での初の開催です♪
前回の反省を踏まえて折り方に少し手を加え、作りやすくなりました(^^)

今年一発目ということで、多くの方のご来場をお待ちしております!

【日 時】2月12日(祝) 
①11時00分~12時30分
②13時30分~15時00分
【対 象】 小学校4年生から(中学生以上大人の方も歓迎です!)
【参加費】100円
【定 員】15名

○三菱みなとみらい技術館Webサイト
http://mhi.co.jp/museum/schedule/2018/02121015.html

【連載】電子ほたる誕生物語(第1話)

遅まきながらあけましておめでとうございます!
博物倶楽部は、11日で結成から丸4年が経ちます。昨年はようやっと認知度もあがってきたかなと思う反面、反省材料や新たな問題なども意識した年でした。
今年はより一層精進し、前進していきたいと思っております。

さて、そんな中このWebサイトでも新しい試みとして、ひとつのワークショップが生まれて育つまでの物語を、連載でお届けする企画をスタートいたします。
今回第1話を掲載するのは、「電子ほたる誕生物語 ―電子ほたるの開発から繁殖まで-」です。

電子ほたるは現在でこそ私たちのグループの顔とも言えるプログラムになっていますが、この企画を作り、育ててきてくださったのが金子泰巳さんです。金子さんは、中の人こと島津が博物館でボランティアをしていた時代から大変お世話になっている方で、博物倶楽部の立ち上げメンバーとして現在まで熱心にご活躍いただいています。

今回の連載は金子さんご自身により、電子ほたるのこれまでの軌跡をご寄稿いただきました。穏やかでユーモアのあるお人柄の伝わるお話となっておりますので、どうぞお楽しみに!

それでははじまりはじまりー!

*******************

電子ほたる誕生物語
-電子ほたるの開発から繁殖まで-

1.飲み会から生まれたアイデア
2003年4月、都内のある自然科学系博物館のボランティアに採用されました。
そこではいろいろな活動を行いましたが、夏休みの科学イベントに参加した経験から、 科学おもちゃのようなもので子供達が目を輝かせて参加してくれるようなテーマがないかとずっと頭の隅に引っかかっていました。

一方活動後の時間はというと、ありがたいことにベテランボランティアやOBの方達の飲み会のメンバーに入れていただくことができました。
2005年の春先のそんな飲み会の席上でのことです。OBのSさん(その後私より10歳以上若いのに故人になられました)がコイン電池と赤色LEDを取りだして点灯させ、「これで光るネクタイピンが作れないかな、と考えているんだ」という話をされました。
その場では「なるほど、こういう使い方ができるんだ」とは思ったものの、現役引退後はおよそネクタイと縁のない生活をしていたため、なんとなくアルコールに流してしまいました。

飲み会がお開きになり、帰りの電車の中で酔いも回ってきて半ば居眠りをしながら「はっ」と思いついたのが、緑色のLEDと組み合わせたらホタルのおもちゃになるのではないか、ということでした。
でもホタルと言うからには光を点滅させなくてはならないので、点滅回路をどうしようか。SSI(集積度の低い集積回路、今では死語に近くなっていますね)を使えばできるのは分かっていても抵抗(R)やコンデンサ(C)をいくつか使うので簡単に作るというわけにもいかないし・・・。
                 
(つづく)

*******************

アイディアは生まれたものの、早速ヤマにぶつかってしまいました……さてさてどうなることでしょう?

次回をお楽しみに!