【連載】電子ほたる誕生物語(第2話)

前回、電子ほたるのアイディアまでは出てきたものの早速壁にぶつかった金子さん。ほたるのワークショップ開発は、どうなってしまうのでしょう……?

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とにかく考えていても前へ進まないので試作品を作ることにして、プリント板なしでIC(LS74123)の足に直接RとCを半田付けしました。

電源は自作の電圧可変の小型電源を使い、ICの定格の5Vからスタート、とにかくコイン電池(3V)1個で動作しなくてはならないので、徐々に電圧を下げて行きました。初めのうちは調子よく動作していたものの、電源電圧が3.5V近くに下がってくると動作が不安定になり、3.3Vあたりで完全に動作停止してしまいました。
コイン電池1個(3V)で動作させるというのが開発目標ですので、これでは使い物になりません。
(でもこの電子回路は後にデモ用のジャンボホタルに引き継がれています)

これは困った、何か代わりになるものはないかと秋葉原の電気街にある部品屋さんを片端から覗いて歩きました。なにしろ秋葉原はボランティアの活動先から近かったものですから、毎週のようにボランティア活動の後電気街へ通いました。

もちろん飲み会のある日も集合時間の前に電気街を一回り、一度などは千葉県北西部を震源とするやや大きい地震に遭って電車がストップ、飲み会に大幅に遅刻することもありました。そのとき飲み会の席では、「あいつまた秋葉原詣でだろう」、「この状況では来られないだろう」、「いや絶対来るよ」、などと大いに盛り上がり肴にされていたようです。
秋葉原も雰囲気が以前とはがらりと変わって、駅を出ると「ご主人様お帰りなさいませ」とメイド姿の若い娘が出迎えるようになっていましたが、これは無視してまっすぐに部品屋の店先へ直行しました。

部品屋さんの店先ではあちこちでLEDをデモ用に点滅させていましたが、よく見るとLEDのすぐそばにプリント板に組み立てられた点滅回路が見えているのがほとんど、これでは失敗した試作品と何も変わっていません。ところがある店に置いてあったのは、どこから見ても点滅回路が見当たらないものでした。

そこで店の親父さんに
「このLEDの点滅回路はどうなっていますか」と聞いたところ、
「LEDのケースの中に制御回路が入っているから、外付け部品はいらないよ」
との答、

「これだ!!!」

さっそく何個かサンプルとして買い求め、次に買うときのために正式な品名を聞いたところ当時は小さなメーカーが片手間で作っているので品名があっても、次の時にそれが店頭にある保証はない、という驚くような返事。

ではどうしたら次に同じものが買えるのかと聞いたところ、自己点滅LEDで色:みどり、サイズ:5φを指定すれば分かるとのことで、とにかく購入した部品を大事に持ってわくわくしながら帰宅しました。

心配だったのはこのLEDの定格電圧は5Vなので、3Vのコイン電池で動作するかどうかでした。店の親父さんに聞いてもたぶん使えると思うけどやったことがないから分からないという返事、そうなれば自分でやってみるしかないので、どきどきしながらコイン電池と接続してみたら、万歳動くではありませんか・・・。これでホタル作りのめどが立ちました。
(つづく)

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無事に材料の課題が解決!
これがどのようなプログラムになっていくのかは、また次回のお楽しみに!

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