読書の秋に、博物俱楽部のパスファインダー
ようやく涼しさが感じられるようになり「読書の秋」にふさわしい季節になってきました。
実は10月は、本にまつわる記念日がたくさんあるんです。
みなさんご存じの読書の日(10/27)。ほかにも、文字・活字文化の日(10/27)、図鑑の日(10/22)、ミステリー記念日(10/7)、、、などなど。
今回は、そんな「本」に親しむ季節にピッタリの博物倶楽部の取り組みをご紹介します!
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博物俱楽部は、2023年夏から、新たな試みとしてパスファインダー「書庫の道しるべ」の配布を開始しました。
さてパスファインダーとは何なのか、なぜ博物倶楽部でパスファインダーを作るのか、さらに今後どう展開させていくのかについてもご紹介します。
パスファインダーとは何か?
「パスファインダー」とは、「あるテーマについて図書館で資料や情報を探す際に参考となる、基本資料や情報源、調べ方を紹介する、”テーマ別のてびき”」のことです(出典:パスファインダー|新宿区立図書館 https://www.library.shinjuku.tokyo.jp/guide/pf.html )。
「○○に興味はあるけれど、何から勉強すればよいかわからない」「○○についてもっと知りたいけれど、どんな本を読めばいいんだろう?」と困った経験はありませんか?パスファインダーは、そうした悩みにヒントをくれるツールです。テーマについてより深く知ったり、興味を広げるための本や映画などを、短いレビューと共に紹介しています。
なぜ博物倶楽部でパスファインダーなのか?
現在活動の中心となっているのは、手と頭を使って考えながら科学に親しんでもらうワークショップです。これまでに10を越えるプログラムを実施し、いまも新しいプログラムを企画しています。
しかし、時間・場所の制約や、安全上の理由などから、プログラムを作るのが難しい分野もたくさんあります。また博物倶楽部には、文理を問わずさまざまなジャンルに興味を持ち、語ることのできるメンバーが揃っています。
こうした背景から、パスファインダーを通じて、倶楽部のメンバーの持っているさまざまな話題をお見せできるのではないかと考えました。
第1弾ができるまで
2023年2月、有志でワーキンググループを立ち上げ、構成・内容の検討を開始しました。4月23日の新宿サイエンス・ラボ・フェスタでは、早くもグループのメンバーによるパイロット版を配布しています。
議論を進めていくうちに、博物倶楽部のプログラムと結びついたテーマのものや、イベントを開催する博物館とタイアップしたものも用意したいという話が持ち上がりました。そこで、夏にイベントを控えていた咲くやこの花館、理科ハウスに打診してみたところ、それぞれお力添えをいただけることになりました。
パスファインダーのタイトルは、たくさんの本で埋め尽くされた書庫の中で、最初にたどる道を示したいという思いから「書庫の道しるべ」としました。マークには、“ミチオシエ”という異名をもつハンミョウがデザインされています。
第1弾としてリリースされたテーマは以下5編です。
これらは博物倶楽部のイベントや関係館で配布しています。
volume1 フランス語の訳し方(案内者:MOMO)
volume2 宮沢賢治と地学(案内者:TONO)
volume3 チリメンモンスター(案内者:KUBO)
volume4 飛ぶ種(案内者:MORI/協力:咲くやこの花館)
volume5 博物館を知る・つくる(案内者:TONO/協力:理科ハウス)
これから目指したいこと
「書庫の道しるべ」を使ってやりたいことはたくさんあります。
まずはもちろん、もっとたくさんのシリーズをお届けしたいです。プログラムだけでは伝えきれない、博物倶楽部のメンバーの頭の中を覗けるものを鋭意製作中です。
一方的に発信するばかりでなく、みなさまからも「こんなテーマで書いてほしい!」とアイディアをお寄せいただく機会や場所も設けたいと思っています。
現在は紙での配布のみですが、より多くの方にお届けできるよう、Web上で公開することも考えています。
また、これまで図書館で作られてきたパスファインダーを博物館で展開することで、博物館の魅力を発信するためのアイテムに育てていきたいとも思っています。
「書庫の道しるべ」を活用したイベントや、オリジナルのパスファインダーを制作するワークショップなども構想中です。
博物倶楽部のパスファインダーの試みは、まだまだ始まったばかりです。
引き続きどうぞご注目ください!