
博物俱楽部は12月8日(日)、東京国立博物館で開催した「あそびば☺とーはく!」の一環として、事前申込型の「石から絵具をつくろう」及び当日参加型の「岩絵具でお絵かきしよう」、2つのワークショップを実施しました。また今回は、早稲田大学博物館支援サークル「ミュゼさぽ」のみなさんにも多くのご協力をいただきました。
東京国立博物館ではこのような企画は初めてということで、どのぐらいの方にご興味を持っていただけるのか手探りの中で準備を進めてきましたが、最終的にはいずれのワークショップも大盛況となりました。
博物倶楽部の新たな挑戦
これまで多くの博物館と協力してプログラムの作成をしてきましたが、美術資料や考古資料などの文化財を収蔵する博物館との連携は今回が初めてでした。しかも東京国立博物館(以下「東博」)との協同企画ということでしたので、どのようなプログラムにするかについてはかなり議論を重ねました。
最終的には東博の収蔵品にも大きく関係があり、且つ博物倶楽部らしいプログラムが組めるテーマとして、「絵具」にスポットを当てることになりました。

進めてみて改めて感じたのが、「絵具」というテーマがいかに多くのことに繋がっているかです。美術はもちろん、化学や地学など様々な関心を持つメンバーから、多岐にわたるこだわりポイントや盛り込みたいコメントが示され、資料作りはかなり難航しました。翻って考えればこの生みの苦しみこそ、絵具、顔料、もっと言ってしまえば色をつけるという営みが、いかに我々の生活や歴史に密着しているのかの証左であったように思います。
今回のプログラムは「鉱物」を緩やかな軸としつつ、ものづくりや化学の視点も加えた内容になりましたが、今後はもう少し違う視点が中心になったり、派生プログラムが出てきたりすることもあるのではないかと思っています。
「石から絵具をつくろう」




事前申込制としたこちらのプログラムは鉱物を砕くことで絵具ができることを知ってもらい、普段意識することの少ない「鉱物」の違いを体感してもらいました。また同時に、当たり前にありすぎてこちらも意識されることのない「絵具」の正体についても、体験しながら考えてもらいました。もちろん最後は、作った絵具で自由に作品を作る時間も設けました。
かなり盛りだくさんの内容でしたが、子どもたちは満足した表情で参加していました。
今回は抽選制を取ったところ、3回で36名の参加者枠に対して108名と大変多くの方からの応募があり、残念ながらお断りせざるを得ない方が沢山出てきてしまいました。非常に関心が高い内容であることがわかりましたので、今後も実施できればと思っています。
「岩絵具でお絵かきしよう」



こちらは当日参加したいという方に向けて実施したもので、上のワークショップの説明をかなり簡単にしたうえで実際に岩絵具を使って絵を描いてもらうことに力点を置きました。こちらも107名の方が参加され、会場は終始にぎわっていました。
今回は博物倶楽部として新たな取組みが多かったこともあり、当日もかなり慌ただしかったのですが、ミュゼさぽのみなさんの多大なご協力のおかげで、こちらのプログラムも無事多くの方に体験いただくことができました。改めてお礼申し上げます。意欲のある学生さんたちのパワーはやはり素晴らしいですね!イベントの運営などで困っている博物館のみなさんは、是非ご相談されると力強い協力を得られるかと思います。

新たな挑戦や連携も多く、私たち自身にとっても多くの学びのある機会でした。
今後に向けて、今回のつながりを活かしていきたいと感じています。