博物俱楽部は3月28日(土)、コミュニティスペース「ノウドひきふね」(墨田区東向島)で「曳舟まちかどミュージアム」と第2回ミュージアム放談「まちかどに博物館を!~居場所としての趣味コミュニティを目指して~」を開催しました。
ミュージアム放談は、一般社団法人路上博物館と早稲田大学博物館支援サークルミュゼさぽとの共催です。
曳舟まちかどミュージアムでは「民謡カフェ アイノテ」にいらした多くの方が足を止めてくださり、博物倶楽部のメンバーとともにワークショップや展示、実験中の企画を楽しんでいただきました。また、ミュージアム放談には20名近くの方が来場し、ミュージアムの持っている魅力や機能をどのように持ち出していくのか、熱い議論になりました。
まちかどにミュージアムがやってくる!「実践編」


10周年を迎えた博物倶楽部が、今後どのようにミュージアムとともに歩んでいくことができるのか。
2025年は問い続けながら活動していました。その問いのひとつの成果として、博物館という施設を超えて市民の方々が気軽に集まる空間で博物館的な「知る」体験をできるイベントとして、今回新たに「まちかどミュージアム」を企画しました。


知っているようで知らない身近なことはもちろん、博物館の展示や学芸員の方々の研究にもひもづけながら、体験を通じて「知るを楽しむ」手法として、博物倶楽部ではワークショップを展開してきました。
アマチュアながらいい加減な内容にはならないよう、プログラムをひとつひとつ作りこんできた自負がありますし、それはこれからも変わりません。
まちかどミュージアムでも、多くの方にワークショップを体験していただきました。



一方できっちり作りこんだワークショップだけではあそびが少なく、倶楽部のメンバーが参加者の方々に一方的に「教える」構造に陥りがちで内容も固定化してしまうことには課題を感じていました。
まちかどミュージアムは、敢えて検討中のプログラムやうまくいくかわからない実験をオープンにすることにしました。
ワークショップができるまでにいろいろな試行錯誤があることをいろいろな方に知っていただくとともに、メンバー以外の方とも双方向のコミュニケーションが生まれていくことを意図しており、青写真の撮影実験をはじめ、実際に多くの会話を生むことができました。
また、こうしたお試し企画ではGakkenさんのキットも活用し、体験の幅をさらに広げています。


実験器具だけではなく、自分のコレクションや道具など「モノ」を中心とした会話もできる場にしたいと考えました。
今回嬉しかったのは、企画の意図を汲んで実際に自分の化石・鉱物コレクションを持ち込んでくれたお子さんがいたことで、「これはなんだろう?」「とても綺麗な標本だね」といった会話が弾んでいました。
倶楽部のメンバー以外の方々も自分の「好き」を伝えられる場に、今後もしていきたいです。


パスファインダーでも、これまでより更に進んだ展開をしています。
好きな本や紹介したい本はたくさんあるけれど、パスファインダーとして編集するにはハードルが高いという方に向けて「本の紹介カード」を新たに作成しました。
また、みなさんの印象的な博物館体験を教えてもらうために、「博物館の紹介カード」も作成しました。

参加者のみなさんが書かれたものはお持ち帰りいただく一方で、倶楽部のメンバーのものはまちかどミュージアムで見られるようにしていきます。
この紹介カードのリストは博物倶楽部のイベントだけで見られるものにするつもりですので、ぜひ会場でご覧ください。
まちかどにミュージアムがやってくる!「理論編」

「ミュージアム放談」は、博物館を外側から応援する立場から「ミュージアムのいまとこれから」を考えたいというコンセプトで、2025年7月から路上博物館・ミュゼさぽと連携で開催しているトークイベントです。


今回は博物倶楽部からの話題提供回ということで、まずは代表の島津からお昼に実践した「まちかどミュージアム」がどうして必要だと考えたのかお話しました。
「なぜ博物館にこだわっているのか?」という問いを皮切りに、自分の趣味や興味関心を伝える場が日常生活では限られていること、安心して語ることのできる博物館のような場を開放していくために街中でのイベントをはじめていくことにしたことをお話し、そしてお昼の実際の様子をご紹介しました。


後半のパネルディスカッションには、路上博物館の齋藤さん、ミュゼさぽの山口さんと髙橋さんが参加しました。
島津の話題提供を受けて、まず髙橋さんから「アマチュア」としてミュージアムの外側での市民活動の今後の可能性について言及があり、具体的な例として山口さんからミュゼさぽで開催した「F12FLY×ミュゼさぽ 結の村 かつらお展」を開催した際の様子をお話しいただきました。


これらを受けて、齋藤さんからミュージアムに限らず市民活動全般についても理論的な解説をいただきながら、「館がない存在」としてできることの可能性や博物館友の会との関係など、限られた時間の中でしたが幅広い議論ができました。
会場からも質問が上がり、予定の時間を10分ほどオーバーしつつ盛況の中で、終了しました。
また、終了後の懇親会でも多くのご意見が寄せられ、ミュージアムをめぐる新たな存在である「博物館の周縁」への期待と関心の高さを感じたところです。
※ 当日の様子は、後日アーカイヴ公開予定です。

博物倶楽部では今後、「まちかどミュージアム」をもっと成長させていきたいと考えています。
学芸員の方々とも連携しながらミュージアムの出張先のひとつになっていきたいですし、科学コミュニケーションを行う他の団体の方々の出展の場にもしていきたいです。
そのためにもノウドひきふねに限らずまちかどミュージアムを開催したいので、実施したいというカフェやコミュニティスペースの方、よい場所を知っているよ問い方がいらっしゃれば、是非ご連絡ください!

